解体工事現場の足場を覆う「養生シート」ですが、このシートの役割や種類はご存じでしょうか。ひとくくりに養生シートといっても、さまざまな種類の製品が販売されています。用途別に適切な製品を購入したいですよね。
そこで本記事では、養生シートに関して詳しく解説していきます。養生幕との違いや用途別にみられる製品の特徴も要チェックです
養生シートとは?
養生シートとは、解体工事などの工事現場で足場や建物全体を覆うシートのことを指します。街中で、グレーやブルーなどの無地のシートで覆われた建築物を見たことがある方も多いはずです。あのシートが養生シートと呼ばれるものです。
養生シートを使う理由は?
工事現場において、養生シートを用いる理由は主に3つあります。
1つ目は工事による騒音対策のため、2つ目は粉塵や塗料が周囲に飛び散るのを防ぐため、3つ目は資材や工具・作業員自身の落下を防止するためです。
足場や建物に取り付ける養生シートは、周囲に住む人はもろちん、作業員の安全を守るためにも非常に重要な役割を果たしています。後ほど詳しくご紹介しますが、養生シートには様々な種類があります。状況や作業内容に応じて、適切な種類のシートを選ぶ必要があります。
養生幕とは?
養生シートの一種に「養生幕」と呼ばれるものがあります。これはシートに広告やお知らせなどを印刷したものです。例えば、その建物を保有する企業の広告のほか、”社員募集中”や”営業中”といったお知らせを載せることができます。
養生幕を設置することで、近隣に住む人や通行人に向けて様々なアピールをすることができます。遠目で見てもひと目で内容が入ってくることに加えて、リーズナブルに宣伝できることが大きなメリットです。
養生シートの種類別の役割
解体工事現場によく使われるシートは、主にメッシュシート、防音シート、防炎シートの3種類です。ここでは、防音シートを含めたそれぞれの特徴を見ていきます。
メッシュシート
網目状になっているメッシュシートの最大のメリットは、風通しの良さです。風を通しにくいシートを使うと、全体が風にあおられて足場が崩れてしまう危険性があります。メッシュシートは安全性を確保できることから、風が強い場所や台風時期に使われることもあります。
ただ、風通しが良いだけに粉塵や塗料も周辺に飛び散ってしまうのがデメリットです。メッシュシートを使用する際は、近隣住民への配慮が必要です。
防音シート
防音シートで足場を覆うことで、解体工事の騒音を減音することができます。メッシュシートと異なり隙間がないので、粉塵や塗料の飛び散りを防ぐこともできるのがメリットです。また、防音シートには厚手のタイプや軽量型のタイプなど種類があるため、現場の状況に応じて活用するシートタイプを選ぶこともできます。
ただ、隙間がない分風通しが悪いため、直に風のあおりを受けてしまいます。風が強い日や台風時期は足場から防音シートを外します。
防炎シート
燃えにくい加工が施されている防炎シートで足場を覆うと、万が一、火災が発生しても延焼を防ぐことができます。解体工事をする際に火花が飛び散り、シートに燃え移る可能性もゼロではありません。そういったリスクがある工事現場で用いられるシートです。
防炎シートは、消防法令による防炎性能の基準を満たしていなければなりません。基準に達しているシートには防炎ラベルが貼られているため、目印にしてくださいね。
まとめ
養生シートは、騒音、粉塵や塗料の飛び散り、物や人の落下を防止するために、足場や建物全体を覆うシートです。特に近隣住民とのトラブル防止のために、大規模な工事や住宅街での工事の際は、足場を防音シートで覆います。作業員も周囲の人もみんなが安心した状態で解体工事が進められるよう、状況に適した養生シートを選びましょう。