歯の矯正は、始めると2〜3年かかることが多く、その費用も安くありません。だからこそ、信頼できる歯科医を選ぶことが大切です。
適当に選ぶと、「理想の歯並びにならなかった」「最初に聞いていたよりも高額になってしまった」など、思わぬトラブルに見舞われることがあります。
この記事では、矯正歯科を選ぶ際のポイントを分かりやすく解説しています。歯科選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
矯正歯科・一般歯科・審美歯科の違いは?
実は、矯正歯科以外にも矯正を行っている医院があります。ここでは矯正歯科、一般歯科、審美歯科の主な特徴とお悩みの内容に合わせたおすすめポイントを紹介します。
矯正歯科
矯正歯科では、ワイヤーやマウスピースを使って歯を徐々に動かし、かみ合わせや歯並びを整えます。この方法は、審美歯科に比べて時間がかかりますが、天然の歯を生かして口元の機能や見た目を改善するのが特徴です。ただし、虫歯や歯周病の治療を行っていない場合もあるので注意が必要です。天然の歯をできるだけ残しながら、歯の機能性や美しさを長期的に改善したい方におすすめです。
審美歯科
審美歯科では、歯を削り、白いかぶせ物をして歯並びを整えます。短期間で治療が終わるため、時間をかけずに口元の見た目を良くしたい方に適していますが、天然の歯を削ることがあるため、その点をよく考える必要があります。特に短期間で歯並びを整えたい方におすすめの治療法です。
一般歯科
一般歯科では、虫歯や歯周病の治療を中心に行っていますが、一部の医院では矯正治療も行います。そのため、虫歯や歯周病を治療しながら矯正を進めることができます。ただし、矯正を担当する医師が常勤しているかどうかを確認することが大切です。非常勤の場合、予約が取りにくくなることがあります。虫歯や歯周病があるが、矯正治療も同時に進めたい方に最適です。
後悔しないための矯正歯科の選び方5選
数ある矯正歯科の中から満足のいく歯科を選ぶためには、いくつかおさえておきたいポイントがあります。治療前にはカウンセリングがあるため、以下の5つの点に気をつけながら話を聞いてみましょう。
日本矯正歯科学会の認定医がいる
一つ目に注目すべきポイントは、日本矯正歯科学会の認定医がいるかどうかです。矯正歯科医の経験やスキルを知る方法は限られているため、この資格を持っていることが確認できると信頼に繋がります。
日本矯正歯科学会の認定医は、5年以上にわたり歯並びだけでなく、咬み合わせや最新技術を取り入れた矯正治療の研修を受けてきた専門家です。この資格を持つ医師なら、豊富な技術と知識を備えていることが期待できるでしょう。
自分の住んでいる地域の認定医の有無は、日本矯正歯科学会のウェブサイトで調べることが可能です。
複数の矯正装置が揃っている
二つ目に重要なのは、自分に適した矯正装置を選べるかどうかです。矯正装置にはさまざまな種類があり、歯並びやかみ合わせによって向き不向きがあります。たとえば、抜歯が必要で歯を大きく動かす必要がある場合や、歯のねじれが大きい場合、マウスピース型の装置は適していないことが多いです。
にもかかわらず、マウスピース型を勧められた場合や、マウスピース型専門の歯科医院を選んでしまった場合、他の装置に関する知識や技術が不足している可能性があります。歯の状態は一人ひとり異なるため、その人に合わせた適切な装置を選ばないと、治療がうまく進みません。また、治療中に計画を変更する必要が出てきた場合に、他の装置を使って対応できることも大切です。
自分に適した費用を明確に提示してくれる
3つ目は、自分に適した費用が明確に提示されているかどうかです。医院によって料金設定は変わってきますが、値段の安さだけで選ぶのは避けましょう。料金の内訳をきちんと確認し、治療期間と照らし合わせ、納得のいく価格帯の医院を選びましょう。
また、治療費の支払い額を明確に提示してくれるかも重要です。矯正治療では、追加費用や再診費用など、装置以外の出費が発生することがあるため、あらかじめ費用が明示されていると安心です。
支払い方法には、大きく分けて「総額制」と「処置別払い制」があります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分にとってどちらが負担にならないかを考えて選ぶと良いでしょう。
総額制の特徴
総額制とは、あらかじめ提示された金額を一括で支払う方法です。この方法のメリットは、治療が長引いた場合でも追加費用が発生しない点と、治療に関わる全ての費用がはっきりしている点です。しかし、治療が予想よりも早く終わった場合でも、最初に提示された金額を支払わなければならないという点もおさえておきましょう。
処置別払い制の特徴
処置別払い制では、治療を受けるたびにその都度支払いを行います。この方法のメリットは、治療期間が短く済んだ場合に総額が抑えられる点や、特にマウスピース矯正の場合、治療を少しずつ試しながら進められる点です。しかし、治療が長引くと想定以上の費用がかかる可能性があり、全体の治療費が見えにくいというデメリットもあります。
治療前に丁寧な説明をしてくれる
4つ目のポイントは、治療前の説明が丁寧かどうかという点です。医師がしっかりとコミュニケーションを取ってくれるかを見極めるためにも、治療前の説明は重要です。すぐにレントゲンを撮ったり、検査を進めようとしたりする医院もあるため、「相談」と「診断」は別のものとして扱うべきです。
また、治療の説明を受ける際には、使用する装置のメリットとデメリットをきちんと説明してくれるかも確認しておきましょう。装置によって治療期間や費用、違和感の度合いが異なるため、それぞれのメリット・デメリットを理解することが大切なのです。
例えば、矯正していることを目立たせたくない場合は、裏側矯正やマウスピース型が適していますが、それぞれに注意点もあります。裏側矯正は費用が高く、話しづらさや歯磨きの難しさがデメリットです。また、マウスピース型矯正は、決められた装着時間を守らなければ効果が出にくいことがあります。それぞれの装置の特徴を理解し、納得した上で治療を進められるクリニックを選びましょう。
トラブルにすぐ対応してくれる
五つ目は、矯正治療中にトラブルが起きた際にすぐに対応してくれるかどうかという点です。矯正装置の不具合や、それに伴う歯の痛みや違和感が発生することはよくあります。そんな時に、適切に相談できる環境かどうかを確認することが大切です。
また、担当医が常勤しているかも重要なポイントです。さらに、働いている歯科衛生士やスタッフなどが矯正に関する知識をしっかり持っているクリニックなら、トラブルが発生した際の対応もスムーズに行えるでしょう。
まとめ
今回の記事では、それぞれの歯科医院の特徴と、後悔しないための矯正歯科を選ぶ際に大切なポイントについてご紹介しました。矯正治療は一度始めると長い期間続くものです。だからこそ、適当に選んで失敗しないよう、この記事でお伝えした5つのポイントを参考にしてみてください。安心して通える歯科医院を見つける手助けとなれば幸いです。