バーナム効果とは、誰でも当てはまる内容でも自分のことを指しているのだと感じる心理的現象です。たとえば、占いや血液型診断、おみくじなどでバーナム効果が使われています。
今回は、「占いは当たるのか?」と疑問を抱く人に向けて、バーナム効果や鑑定を受けるときの注意点について解説します。
バーナム効果とは
バーナム効果は、誰でも当てはまることを言われているにもかかわらず、「自分のことだ」と特別に感じてしまう心理的現象です。
多くの人は何かしらの不安は抱えているものですが、占いで「何か不安なことはありますか?」と質問された場合、自分のことを言い当てられているように感じます。それがバーナム効果です。
バーナム効果と似た言葉
バーナム効果には、以下の関連用語があります。
- 確証バイアス
- プラシーボ効果
確証バイアス
確証バイアスは、自分が注目する情報ばかりに目が行きやすい心理的現象です。たとえば、彼氏に会うときはいつも雨が降ると思い込む人は、雨の日ばかりに意識が向く傾向があります。
認知バイアスの一種で、思い込みや周囲の要因によって非合理的な判断をしてしまうのが特徴です。確証バイアスの心理は、バーナム効果と連動して働く場合があります。たとえば、初対面の人に褒められたときに、「この人は自分を理解してくれる」という思い込みが刷り込まれてしまうことがあります。
プラシーボ効果
プラシーボ効果は製薬業界の専門用語で、有効成分が含まれていない薬剤によって、症状の改善や副作用の出現が見られる心理的現象です。プラシーボ効果が起こる原因は定かではありませんが、暗示や自然治癒力などが背景にあると考えられています。
製薬業界の専門用語ですが、占いやビジネスでも活用されています。たとえば、鑑定時に「好きな人と両思いになる」と言われると気持ちが前向きになり、積極的に行動するようになるようです。その結果、両思いになった事例も多く報告されています。
バーナム効果の具体例3選
占いにおけるバーナム効果の具体例には、次のようなものが挙げられます。
- 占い
- おみくじ
- 血液型診断
占い
バーナム効果の活用事例で定番なのは占いです。鑑定結果で占い師から伝えられるのは、誰にでも当てはまるものが多いといわれています。たとえば、占いの結果を友達と交換してみましょう。鑑定結果の中に、当てはまることがいくつかあるはずです。
自分のことを言い当てられているように感じるのは、占い師が見てくれたという気持ちが働くためです。また、占い時は生年月日や星座など個人情報から鑑定をしてもらいます。自分だけに向けられた鑑定結果だと思い込みやすくなるようです。
おみくじ
バーナム効果を活用したものには、おみくじもあります。自分のことを言い当てられているように感じますが、おみくじの結果は誰にでも当てはまる内容になっていることがほとんどです。
占いと同様に、自分だけに向けられた鑑定結果だと思い込みやすくなります。また、おみくじは「自分の意思で引いた」という思い込みもあるので、「結果は当たっているはず」「結果を受け入れたい」というバイアスがかかりやすいです。
血液型診断
多くの種類がある占いですが、その中のひとつに血液型診断があります。たとえば、「B型は自己中心的」「A型は几帳面」「O型は大らか」「AB型は二面性がある」などが代表的なものです。
しかし、科学的には血液型は血液を構成する成分の違いによって生まれます。それが、性格を左右するのは非科学的だといわれています。血液型診断を信じるのは、確証バイアスが働くためです。診断結果を見て、「自分に当てはまるポイントを探そう」というように都合の良い解釈をする傾向があります。
バーナム効果が生まれる理由
バーナム効果が生まれる理由には、次のようなものが挙げられます。
- 個別に向けられた内容
- 幅広い解釈ができる曖昧な表現
- 発言者に権威性がある
- 前向きな言葉を使用する
個別に向けられた内容
バーナム効果が生まれるのは、個別に向けられた内容であることが考えられます。個別に向けられた内容を自分だけに向けられた言葉だと思い込んでしまい、相談者が鑑定結果を信じやすくなるようです。
学生一人ひとりに性格診断の結果を紙に書いて手渡した実験があります。内容はすべて同じでも、学生は自分だけに当てられた手紙だと思い込み、内容を信じます。全員同じ診断結果を発表した場合は、バーナム効果は生まれません。
幅広い解釈ができる曖昧な表現
バーナム効果が生まれるのは、幅広い解釈ができる曖昧な表現を使用しているためです。幅広い解釈ができる曖昧な表現を多用して、あとから自分に都合の良い方向に話を誘導していきます。
たとえば、占いで「大切な何かを失ったように感じます」のような曖昧な表現をして、鑑定者の反応を見ます。そこから軌道修正して占いの結果を受け入れられるように誘導していきます。解釈の幅が広い表現で、バーナム効果を引き出しやすくなります。
発言者に権威性がある
バーナム効果は、情報発信者に権威があることが生まれやすくなります。たとえば、学生一人ひとりに性格を診断した結果を手紙に書いて手渡した実験において、情報発信者は「大学教授が行う性格診断」という権威がありました。
これが、学生が診断したものであれば、信憑性が疑わしく信じない人もいるはずです。占いであれば、占い師が言うことで、「この人が言うんだから間違いない……」という思い込みが働きます。
前向きな言葉を使用する
バーナム効果は、前向きな言葉を使用することで生まれやすくなるといわれています。基本的に、人は否定的な言葉を嫌うものです。ネガティブな内容だけを伝えると、「これは自分のことじゃない」という心理が強く働いて拒否したくなります。
心理的な防衛本能で人なら誰しも起こるものです。前向きな内容ほど気持ちも良くなるので、その心理も手伝って信じやすくなります。占いでは、初めに悪いことを言われても、最後に良いことを言われると鑑定結果を受け入れやすくなる人が多いです。
占いを受けるときの注意点
占いを受けるときの注意点には、次のようなものが挙げられます。
- 占いの結果に左右されない
- 自分の気持ちを大事にする
占いの結果に左右されない
占いを受けるときは、鑑定結果に左右され過ぎないように注意しましょう。占い師のなかには、バーナム効果をうまく使用して鑑定結果を信じやすい方向に導く人もいます。
鑑定結果を「自分のことだ」と特別に感じやすいですが、必ずしも個人に向けられた内容でないケースもあります。占いを受けて誰にでも当てはまる内容である場合は注意しましょう。
自分の気持ちを大事にする
占いをうまく活用すれば、物事が良い方向に向かう場合もあります。参考にする程度であれば問題ありませんが、信じ過ぎるのはおすすめしません。占いは、ときに悪い鑑定結果が出る場合があります。
その鑑定結果を鵜呑みにして行動しないと、自分が望む結果を手に入れられない可能性があります。占いの鑑定結果は参考程度にして、自分の気持ちを大事に行動するかどうかを決めることが大切です。
まとめ
バーナム効果は、占いの鑑定結果を「自分に向けられた言葉」だと特別に感じやすくなります。効果的に活用すると相手から信頼や好意を寄せられ、鑑定結果を受け入れやすくなる人が多いです。占いを胡散臭いと感じる人もいるかもしれませんが、正しく霊視をしてくれる占い師がいるのも事実です。
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